行動し、実践し、具体的成果を出していく組織へ 秋田文化会議レポート

12月4日に、日本記者クラブ9階の大会議室にて、秋田文化会議が開催されました。年2回の定期開催で、秋田を「文化」という切り口で、有識者が集い話し合う場です。

総勢40人ほど集まりました

「秋田文化会議」とは、首都圏に在住する秋田県出身、または秋田に関係する方々で構成されています。

2008年に「秋田文化人会議」として発足し、5年前に「秋田文化会議」に名称を変更しました。世話人は、橋本五郎さん佐々木常夫さん浅利香津代さんです。

(左)橋本五郎さん (右)佐々木常夫さん

本会の目的は、

会員相互の親睦を図るとともに、秋田県との連携を密にし、主として文化面から秋田県の発展に貢献すること

では、会議の様子をレポートしていきます!

最近の活動報告 (秋田産業サポータークラブ 代表幹事 鯨岡さん)

秋田産業サポータークラブ 代表幹事 鯨岡さん

秋田産業サポータークラブは、実際に秋田に向けて行動しようという会です。テーマごとに7つのWG(ワーキンググループ)を設けて活動しています。WGの中には、「文化」という切り口のテーマもあり、秋田文化会議と親和性が高い取組みもあります。

最近では、WE LOVE AKITAなど若い人や女性もメンバーに増えてきており、SNSの発信としてFacebookも再開しました。

活動報告としては、12/2(土)に「あきた寺子屋」を開催しました。総勢50名ほどの参加者が集まり、「秋田に帰りたい」「秋田で起業したい」という人のきっかけづくりができたのではないかと思います。

「あきた寺子屋」当日の様子

各WGの主な実績や活動内容を少しご紹介します。「地域連携観光振興WG」では、増田町の蔵の再生に尽力し、今年度からは大館市の歴史まちづくりの支援に取り組む予定です。「夢づくりWG」では、わらび座の翠川さんが主査で、秋田の文化や歴史を通したコミュニティづくりを進めています。

WG以外に、秋田県の産業労働部と連携・協働しながら、産業振興や企業誘致など県の産業施策に関わりの深いテーマで進める共同プロジェクトとして「サポートプロジェクト」というものも発足しております。

「夢づくりWG」や「食と美と健康WG」などは、秋田文化会議とかなり親和性が高いと思われますので、今後のコラボレーションに期待したいと思います。

最近感ずること(秋田文化会議 世話人 橋本五郎さん)

秋田文化会議世話人 橋本五郎さん

秋田文化会議の発足当初は、「内陸線を存続させる」という具体的な目標がありました。当時は、内陸線に乗ろうというツアーも開催するなど、積極的に具体的行動を伴う活動をしていました。

ですが、最近では具体的目標を見失っているような気がします。これからは、行動し、実践し、具体的成果を出していく必要があります。初心に帰りましょう。

例えば、これから設定できるテーマとしては、田沢湖や八郎潟の再生などあります。秋田で生まれ育った私たちにしかできないこと、だからこそできることが沢山あります。地方創生というものを真剣に考えていく上で、今こそ原理原則が大切です。

参加者全員での意見交換

・秋田ふるさと応援団 佐藤さん

9月にねんりんピックに参加したのですが、参加者のチームワークがとても強いことが印象的でした。男鹿市のPRについても、若者をどんどん起用して、盛り上げていく必要があると思いました。

・大森町ふるさと会 副会長 遠藤さん

今後の話し合いの参考になりそうな著書を紹介したいと思います。秋田市の人口減少にも触れている「未来の年表」(河合雅司)、秋田の木材企業も出てくる「無名でもすごい優良企業」(田宮寛之)、最後に、「始めようお金の地産地消」(木村真樹)です。

東京で活動している類似の団体は多くありますが、結局は、地域の人が何かやらないと変わらないものだと思います。

・株式会社スタジオ花小箱 辻さん

私は、仙北市出身なのですが、ふるさとである秋田が大好きです。花の仕事をしていますが、数年前に縁あって「秋田国際ダリア園」の園長さんとお知り合いになりました。それから、ダリアのエキシビジョンやワークショップをしていて、毎年魁新報にも取り上げていただいています。

ひとりの力では困難なことも、何人かの知恵と行動が集えば、実現に向けて動き出していくのだなということを実感しています。

(株)スタジオ花小箱 辻さん

・都内の秋田ゆかりの団体について(秋田県東京事務所所長 金子さん)

私は、今年4月に所長に就任しました。関東周辺には、175超の同窓会や県人会組織がありますが、飲んだり単発のイベントをしたりしているだけで、それぞれ目標を見失っている感じがします。WE LOVE AKITAなど、秋田のイメージ刷新に力を入れている団体もありますが、より大きな目標を掲げるといいのではないかと思います。そして、若者の教育に力を入れていくことが、長期的に見て秋田の活性化に繋がっていくと思います。

・秋田文化会議事務局 武内さん

来年、「なまはげ」がユネスコ無形文化遺産に登録されますが、首都圏でのPRの準備があまりされていないと思います。来秋には、有楽町で大きなイベントを開催していくことを予定しています。

また、ふるさと応援団が、以前墨田区の山本区長(秋田出身)をイベントのゲストに呼んだように、墨田区との親交を深めていくのはどうでしょうか。首都圏と秋田の自治体を友好都市にと考えたとき、墨田区と男鹿市というのはどうかと。特に防災は大切ですし、秋田ゆかりの関東の議員を集め、党派を超えた議員懇談会を開催したらどうかと思っています。

・株式会社ケイ・イノベーション 社長 喜藤さん

秋田はすでにある良いものを生かせていないと思います。「釣りキチ三平」の聖地でもありますし、ひとひねりすればいいものがたくさんあると思います。これは、お金のかかる話ばかりではないです。たとえば、国際教養大学近くのフィールドアスレチックは、学生からアイデアを募れば面白いアイデアや企画が生まれるかもしれません。財産を生かしていく姿勢が大切ではないでしょうか。

活動PRなど

・TV番組の制作について(株式会社ヌーベル 大山さん)

「秋田の赤い靴を履いた女の子」というドキュメンタリー番組を自社制作したいと思っています。浅利さんに秋田弁でナレーションや出演などを依頼しており、秋田文化会議で制作委員会を発足したいと考えています。

(株)ヌーベル 大山さん

・フェイスブック秋田県人会について(会長 齋藤さん)

Facebookのフォロワー数は、12,000人を超えており、秋田のウェブのコミュニティでは最大です。今後、コミュニティ投稿だけでなく、秋田の美大生とコラボする「AKIBIプロジェクト」など企画も進めていきます。

・秋田市外旭川の複合施設建設計画について(イオンタウン株式会社 藤原さん)

民間投資を活用して、秋田に貢献したいと考えています。現在、市議会の有志十数名で構想を実現する会を発足し、今後秋田市に提案するところです。

イオンタウン(株) 藤原さん

・WE LOVE AKITA について(記者 竹内さん)

ウェブマガジン「MAGAZINE」をつくり、秋田の魅力発信を行っています。必要とする人に適切な情報が届くように、これからも尽力していきたいと思います。

おわりに

最後に、佐々木さんが、今日の意見を踏まえて具体的な案をつくり、メールで共有すると参加者に伝えました。次の開催日は未定ですが、半年後に予定しています。

参加して感じたこと

秋田のために何かしようと多くの方が集まり、様々なアイデアが共有されており、この話し合われた情報や知恵の資産が、未来に繋がっていくといいなと思いました。私のような若者は、今回の参加者のような経験豊富な方々にいろいろアドバイスをいただける機会があったら嬉しいなとも思いました。(渡部みのり)

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