「チャレンジ精神」を大切に 由利工業

由利工業は、秋田精工、横手精工とともに構成するYURIホールディングスの中核企業です。ホールディングスとは、いくつもの会社の株式をまとめて持っている「持ち株会社」ともいわれるもので、それ自体が何か作ったり売ったりしているわけではありません。YURIホールディングスは、グループ企業の結束を強めるため戦略部門を各事業会社から独立させるためにホールディングス制をとったのだそうです。

3社がそれぞれどのような役割を担っているのかを伺うと、自社制作のビデオを見せてくださいました。目をパチパチさせて可愛いマスコットのリスタくんが紹介してくれます。顔は可愛いらしいのですが声は低くてちょっと渋い。ここはリスタくんに任せます! 

そうは言いながら、軽く説明しておきます。YURIホールディングスの起源は、1955年にTDK(当時は東京電気化学工業)の協力企業として設立された由利工業であり、事業拡大とともに社内の一部を独立させる形で秋田精工、横手精工が誕生してきました。現在は、ベトナムの関係会社などアジア圏にも工場を持ち、世界を視野に入れた事業展開をしています。

由利工業の主力製品は、電子機器には必ず入っている電気を蓄えたり放出したりする「積層セラミックチップコンデンサ」。さらに新事業として化学反応を利用した部品保護と付着物の選択的除去を行う精密洗浄やアルミニウム合金の耐食性や、耐摩耗性を向上させることを目的としたアノダイス処理も手掛けています。

電子基板

求める人材

どういう人材を求めているかと伺うと、須田哲生社長は、まず「チャレンジ精神」を挙げられました。新しいことにどんどんトライしていく気持ちを大切にしたいとのこと。そして決断したらまっすぐ進む姿勢。

須田哲生社長

須田社長は、「未来が光り輝き、これからもっと楽しくなるという期待」が持てるように、グループが一丸となって、お客様から期待される集団にならなければいけないと思っています。社員、一人ひとりにそういう期待を持って欲しいと願っています。熱いですね!

ビジョンの浸透はまだこれからですが、やはりものづくりといっても人と人が作業するので、大事なのは信頼関係。その思いがお客さんや地域社会との良い関係につながっていきます(須田社長)

社名を地名から取っているように、由利本荘に根ざし、この土地から価値を生み出し、貢献することを大切に考えています。そして地域社会からも誇りに思ってもらえる企業になりたいと願っています。

新入社員には専門知識より人間性

由利工業は、地域経済への影響力が大きく、成長性が見込まれるとともに地域経済へのバリューチェーンの中心的な担い手であるとして、経済産業省から地域未来牽引企業」に選定されています。また、公益財団法人東北活性化研究センターから「キラ☆(ぼし)企業」にも選ばれています。「ここで働きたい」と思わせるキラ星のような企業だと認められたということです。

仕事のスキルについては働きながら学んでもらううです。工業高校や大学の工学部出身の人もいますが、専門知識よりも、しっかりとした人間性、価値観、生き方をしている人を求めているそうです。

須田社長は、48年連続増収増益の伊那食品工業の塚越社長の言葉を挙げて、「いい会社だね」と認めてもらえるようになれば、会社は成長を続けられると話します。

ところで、由利工業は長く女性が社長を務めました。創業者の須田浩氏の夫人テル氏は浩氏がなくなった後16年間社長を務められたのです。

女性の力をもっとPRしたい

女性の活躍について伺うと、須田社長は、「女性の力をもっとPRしていきたい」とおっしゃいました。YURIホールディングス全体の従業員数は約2000人。そのうち由利工業は600人。その男女比は7対3で男性が多いそうです。

女性の力をPRしたいということがよくわかる数字がウェブサイトに紹介してありました。地味な数字かもしれませんが、こうして数字で表すことで意識が高まります

2018年に入社し、電子部品事業部で焼成係を担当する佐々木琴海(ことみ)さんに、同社に入社の動機をうかがうと、元々プラモデルを作ったりするのが好きで、ものづくりを仕事にしたいと思っていたため製造業を選んだそうです。その中でも由利工業に決めたのは、スマホやパソコンのような身近なものに入っているものを作るということに魅力を感じたからだそうです。

過去3年の採用実績を伺うと、新卒は1~4人、中途採用は8~21人と年によってかなりばらばらです。しかし中途採用が多い!秋田県出身者のUターンも含めた県外からの中途採用もしています。

待遇

新入社員の研修は、まず社外研修を行ってから、社内での教育を行います。その後もずっと所属チームでのOJTが続くそうです。さらに昇格の時などにも外部研修があるそうです。

福利厚生は、かなりハイレベルだそうです。取材に立ち会ってくださった人事担当の岩根未来さんは2017年に中途で入社。岩根さんは、昨年、東京で開催された秋田企業の求人イベントに人事担当者としていらしていて、そのときに、就職された経緯などについてお話を聞いていました。進学の時は都会に憧れて上京したのですがご家族の事情で地元に帰ろうと思い、自宅に近いということで2017年に由利工業の大曲工場に入りました。人事の経験があることからYURIホールディングスの人事担当として本荘に転勤になり、新しい生活と仕事をとても楽しんでいる様子でした。

高度な品質管理基準を取得

同社は、2003年頃までに品質管理に関する各国国際基準を取得し、世界有数規模のコンデンサ量産工場としての設備・管理体制を整備したそうです。2018年現在、「IATF16949」、「ISO14001」、「OHSAS18001」の国際基準を取得しています。また、航空宇宙産業分野で信頼性の高い製品製造するために「JISQ9100」や「Nadcap」(航空宇宙産業向け特殊工程作業認定)の認証を取得しています。

そのためにたゆまず改善活動を続けており、一般社団法人日本経営協会/日本HR協会が認定する2016年度の従業員一人当たりの改善提案件数で同社が全国で一位になりました。

取材を終えて:

由利工業は、社長が理想に燃え、チャレンジ精神をとても大事にしていますし、向上心を持っていることが重要だと思いました。高い精度を求められる製造業らしく現場には緊張感がありながらも、アットホームな雰囲気も感じられました。岩根さんは会社の人たちが知らないことを丁寧に教えてくれ、皆、とても温かいとおっしゃっていました。

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取材・写真:加藤一成 文:竹内カンナ