WE LOVE AKITAは、秋田ゆかりの飲食店のご紹介にも情熱的に取り組んでいきたいと思っています。その第一弾に選んだのは、西荻窪の駅から徒歩1分の「秋田ほるもん酒場」さん。石田POPO博生さんと妻・明日香さんが、1年半前に開店した秋田への愛に溢れた居酒屋です。
秋田に詳しい人でも、「え?秋田ってホルモン料理あったっけ?」と思った方、多いと思います。そう、実は、ホルモン料理は鹿角(かづの)市を中心とする県北のご当地料理で、南の方にはあまりないんです。明日香さんは花輪に近い尾去沢の出身。
昔、秋田の県北には鉱山がたくさんあり、厳しい労働で内臓の病気になる人が多く、「内臓の病気には内臓が効く」ということで、もつ煮込みやもつ焼きがよく食べられるようになったのだそうです。
今では「鹿角ホルモン」としてブランド化し、さらに広く親しんでもらおうという動きが起きています。
ほるもん酒場のホルモン焼きは、花輪の名店、 ホルモン幸楽直送。ジンギスカン鍋に特製たれで味を付けた牛豚のホルモンとキャベツと豆腐が山盛りになっているのが幸楽流。ほるもん酒場は、その流れを汲みながらも、モヤシをたくさんのせています。ジンギスカンであれば焼いたマトンの油が溜まるところに、もつ焼きのたれが入っていて、焼きながらそれをスプーンですくって繰り返しキャベツにかけて焼く「煮焼き」という面白い調理法です。
たれが煮詰まるにしたがってニンニクがきいた甘辛みそ味の香ばしい香りが立ちのぼり食欲をそそります。テーブルに運ばれてきたときは、すっごい量に見えたのに、いざ食べ始めたらあっという間に消えてしまいました。あのたれ、魔法です。
そしてホルモン焼きのシメが、そのうま味たっぷりのたれとチーズを絡めて焼いたうどん。このうどんだけ食べたいといって明日香さんを困らせる客もいるほどだそうです。
もう一つ、典型的な秋田料理の店にはない特別メニューが「パイカの塩焼き」。パイカって男鹿や能代の周辺で豚バラ軟骨を包丁でガンガン叩いて叩いて叩いて細かくして焼いた店長の汗の結晶。1キロの下ごしらえに2時間かかるのというとても手のかかるメニューですが、噛むとコリコリとする軟骨とジューシーな豚肉のハーモニーが絶妙。
もちろん、ほるもん酒場には、きりたんぽ、ハタハタの一夜干し、ジュンサイ、いぶりがっこ、とんぶり、ちょろぎなど、秋田といえばすぐに思い浮かべる食材もしっかりそろっています。
また、水煮や塩漬けではなく生から調理して根まがり竹(4月中旬~5月中旬)や野草のミズ(5月中旬~10月中旬)をいただけるというのは、秋田に住んでいてもなかなか味わえない貴重な体験です。
みなさん、秋田料理の定番中の定番、きりたんぽ鍋はどうなんだろうと心配になってきてはいませんか?もちろんあります!ただ、さすがに夏はやっていません。10月ぐらいから4月ぐらいまで。きりたんぽに欠かせないセリが手に入りにくいからです。また、クルミの入った甘味噌を付けて焼いた味噌付けタンポもあるみたいです!スープは浅利佐助商店の比内地鶏スープです。