秋田基準寝具株式会社は、大正12年、五城目町に誕生、製綿と貸し布団業から少しずつ事業を拡大してきました。近年は、珍しい「酒袋クリーニング」という独自サービスも展開しています。
今回は代表取締役専務 柳原正宙さんに「酒袋クリーニング」を始めたきっかけや、会社の様子などを伺ってきました!
「秋田基準寝具」はどんな会社?
現在、同社がメインとしているのは「リネンサプライ事業」です。リネン製品とは亜麻植物(フラックス)の繊維を原料とする糸や織物のことで、業界では北日本でトップの規模を誇ります。この事業は、通常のクリーニングとは異なり、同社がリネン製品を準備し、お客様にクリーニング付きで貸し出しするサービスです。
主な取引先は、県内の病院・ホテル・旅館など。洗浄・乾燥などができる秋田県内の工場は秋田市(2か所)、湯沢市(1か所)にありますが、営業所は県外(岩手県・山形県)にもあります。そのため、東北6県のエリアなら同社のサービスが迅速に提供できるようになっています(対応エリアは全国)
また、同社では「リネンサプライ事業」のほか、「宅配ウォーター」や「福祉用具レンタル・販売」といった事業も展開しています。なぜ事業を1本化せず、多角的に展開をしているのかを伺ったところ、そこには「この会社で長く働いてほしい」という柳原正俊社長の思いがあるからだということでした。
秋田基準寝具の工場・本社で働く社員は、350名~360名。最初に配属された部署が苦手ならば、別の部署に異動することができます。リネン営業、介護営業、生産工場、配送、資材管理、事務などさまざまな部署があるので、自分の得意な分野でチャレンジできる仕組みになっています。
女性が活躍する現場
社員の6割以上は女性です。本社の事務職は全員が女性で、営業職も半分以上が女性です。年齢も幅広く18歳~65歳まで。
入社すると事務職も営業職もクリーニング工場の現場を経験するそうです。
女性社員が多い理由の一つとして、産休・育休をしっかりと取得でき、バックアップ体制がしっかりしていることが挙げられます。実際に工場では週休二日制がとられており、産休・育休もしっかりと取得することが可能です(2018年は5名が取得)。
作業の負担軽減のため機械化も進めており、東北地方のほかの会社では使っていない最先端の機械も導入しています。柳原専務は、元々航空機の整備士を志望していただけあって、機械にはかなりこだわりを持っているようでした。
業界初!?酒袋クリーニング
「酒袋(さかぶくろ)」とは、もろみを入れてお酒を絞るのに用いる袋のこと。同社では、この酒袋を回収・洗浄・乾燥・納品する「酒袋クリーニングサービス」を手掛けています。
この事業を始めたのは3年ほど前。秋田市の酒蔵から「酒袋をクリーニングできないか」と依頼を受けたのが始まりでした。
それまで酒袋は、蔵人が一つひとつ手洗いし、時間をかけて乾燥させていたことから、酒蔵にとっては大きな負担だったのです。しかし、秋田基準寝具は「洗浄のプロ」! 独自の酒袋乾燥技術を開発し、今では秋田市内にある専用工場で酒袋クリーニングを行っています。
実は、このサービスが事業化されるまであらゆる課題があったようです。例えば酒袋の乾燥です。
酒袋は乾燥方法をちょっと間違えると縮んでしまい、元の形状に戻らなくなってしまいます。そこで同社は、40度~80度低温で乾燥する方法を生み出し、ようやく酒袋を本来の形のまま乾燥できるようになったそうです。
リネンサプライ事業同様、酒袋クリーニングは幅広いエリアの酒蔵から依頼を受けており、全国の酒蔵に対応できるそうです。(酒袋クリーニング詳細はこちら)
入社3年目で感じた「この会社の魅力とは?」
介護福祉部で福祉用具のレンタル・販売などを行う長谷川有紀さんは、入社3年目。県内で知名度の高い秋田基準寝具に入社できたことを誇らしく感じています。
長谷川さんは、町を行きかう同社のトラックを小さいころからよく見ていたので、「秋田に根付いた会社で働ける」という思い、それが仕事に対するモチベーションにつながっているのだとか。
入社当初は介護の知識はほとんど無かった長谷川さんですが、3年目になる今は、専門用語が飛び交う電話対応もしっかりこなせるようになりました。先輩、上司も女性であったことから、気兼ねなく質問することができたそう。
現在の仕事について、「これからの秋田で必要となる知識が身についてきています」と語られたのが印象的でした。今後は効率よく仕事をこなすことを目標とし、学ぶ姿勢を大切にしていきたいとのことでした。
求める人材
現在同社は、「営業職」、「事務職」、「技術職」を募集しています。学歴は不問で、採用実績は高卒~大卒と幅広く、Aターンで就職している方も多いそうです。
飛び込みやノルマという言葉が先行しやすい「営業職」ですが、同社の営業職は契約している施設への追加提案やメンテナンスがメイン業務となります。もちろん最初は先輩社員が同行するので、それほど心配する必要はないようです。
入社後の研修プログラムもしっかりと用意されています。研修は入社時だけでなく部署ごとに研修が定期的に行われています。例えば、取引先にホテルに宿泊し、そこで同業者の集まる研修で業界の最先端情報を学び、自社で生かすアイデアを考えたり、海外の展示会の視察に行くなど、さらにサービスの質を高め、常に切磋琢磨する機会が与えられています。
地元に根付いた生活に欠かせないクリーニングサービスを展開する秋田基準寝具が気になった方は、ぜひ公式HPもチェックしてみてください!
◆秋田基準寝具公式HPはこちら
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