にかほ市内でコンタクトセンター「秋田BPOメインキャンパスにかほブランチ」を運営するプレステージ・インターナショナルは、同市に新たなオフィス「秋田BPOにかほキャンパス」を建設中で、2022年3⽉に完成を予定しています。オフィスの規模は現在の260名から500名へとほぼ2倍に拡⼤します。
拠点の拡大に合わせて、多くの人数を採用するので、にかほ市周辺の人や、にかほ市周辺に帰りたいと思っている人、あるいは秋田県のハワイと⾔われるにかほ市に住みたい人にとっていいチャンスです!
木の香りがしそうな新しいオフィスには、カフェテリアも設けられ、⼀般に開放されるとのこと。地域のためになりたい、地域を活性化したいという同社の思いを感じます。
プレステージ・インターナショナルとは?
ところでプレステージ・インターナショナルってどんな会社?という方もいらっしゃると思います。秋田県で大きな雇用を創出している会社ですので是非、知っておいて欲しいです。
同社は東京都千代田区に本社を置くBPO(ビジネス·プロセス·アウトソーシング)の会社です。
経営理念に「消費者の不便さや困ったことに耳を傾け、解決に導く」とあるように、消費者が企業の製品やサービスで困った時、最初に電話で相談するコンタクトセンター機能を担い、さらにその先のお困りごとの解決に必要な協力会社の手配や⼿続きに必要な書類の作成などビジネス・プロセスの業務を引き受けています。
こうした業務は、製品やサービスを提供する会社が自社で運用するより、プレステージ・インターナショナルのようなBPOの専門会社に委託した方が効率や品質が向上するため、同社の事業は拡大を続けています。
国内拠点は秋田県、山形県、富山県、新潟県、岩手県にあり、海外拠点と合わせて18カ国25拠点へ展開しています。秋田県内には秋田市・横手市・にかほ市に拠点を置き、秋田市の拠点は総席数1500席、横手市の拠点は500席を有し、にかほが2022年春に拡大すると横手と並ぶ規模になります。
地域活性化と女性の活躍
にかほブランチの佐々木亘拠点長によると、同社が地方、それも東北に多くのオフィスを置いているのは、地元の優秀な人材を採用し、地域を活性化したいという思いがあるからです。オフィスワークは都会に集中しがちですが、都会以外でもできる仕事も多くあります。同社はオフィスワークを地方にアウトソーシングし、地⽅の優秀な人材に整った環境で楽しく仕事をしてもらいたいと考えています。
また従業員の約70%が女性であり、同社がさらなる成長を遂げるために女性が夢を持って働いてほしいとして、女性が働きやすい会社にすることも基本戦略に掲げています。育児と仕事を両立しやすいように企業内保育園を設けるなど長く働けるような環境整備に取り組んでいます。多様な働き方ができることは、女性にとって特に大切だと思います。
女性の働きやすさ以外の福利厚生も充実しています。新社屋では、無料駐車場や従業員向けのイベントのほか、ガソリンカードや携帯電話・タブレットの法人契約もあります。
従業員のみなさんが新しいオフィスで特に楽しみにしているのがカフェテリア。インテリアがかっこいいだけでなく、メニューにはおしゃれなカフェごはんも検討しているとのことです。
またエクササイズマシンを置いた広いスタジオもあります。これも従業員のためだけでなく一部開放して地域の住民に使ってもらえるようにするほか、中高生が放課後に勉強してすごすこともできるようオープンなスペースも設けるとのこと。お子さんがここで宿題をやりながらお父さん、お母さんの仕事が終わるのを待って一緒に帰るというようなこともできそうですね。
ただのコールセンターではないことを知ってほしい
同社の主要な業務のうち最もみなさんにもイメージしやすいサービスは、車の事故や故障に対応するロードサービス。電話を受けて場所や状況を聞き取り、さらに最寄りのレッカー搬送の協力会社や代わりの交通手段の手配を行います。利用者が契約した損保会社に電話をかけると、実は窓口となっているプレステージ・インターナショナルのオペレーターに繋がるのです。
TVコマーシャルでもよく見るこうした業務はほんの一例で、国際的なサービスも提供しています。
例えば、日本企業の海外拠点で働く方やその家族が病気や怪我で病院に行った時の保険の手続き。国によって健康保険制度がそれぞれ異なる上、日本のようには整備されていない国もあります。急な病気や怪我で医療費が数十万円かかり、すぐには支払うことができないこともあります。そうした時に、プレステージ・インターナショナルが現地の様式で必要な書類を作成し、費用を立て替え、日本の健康保険が給付されるように手続きをするのだそうです。
そのため、オフィスではいつも海外の書類が飛び交っています。また、日本人が多い国には、同社の拠点があって直接対応しています。にかほ市にいながらこんなインターナショナルな仕事ができるのです。
拠点の拡大と増員
佐々木拠点長は、従業員数が増えることで、管理者のポジションも増えると指摘。同社にはリーダー、スーパーバイザー、マネージャーなど、複数段階の階級があり、拠点の拡大に伴い新しい業務が増えることで、管理者の必要数も増え、入社から数年で管理者ポジションに就ける可能性もあります。
これだけの人数を地元だけで採用するのは難しいので、都会で働いている地元出身者でUターンしたい人や、県外の学校に進学し新卒で地元に就職したい人、縁もゆかりもなくてもプレステージ・インターナショナルで働こうという人も歓迎しています。
「県外で経験を積んだ人にぜひ来ていただきたいと思っています。他業界での経験も役立ちます」(佐々木拠点長)
にかほ市は移住者の増加に熱を入れています。住宅の提供など移住して来る人のための支援策も用意しており、にかほーむという移住支援のポータルサイトがあります。また、高校生までの医療費が無料で、子育てしやすい環境です。外から来た人が多い土地柄なので、オープンで馴染みやすいと思います。
地元に根差す
より地域に根差した企業として発展するため、拠点ごとにイベントを行い、従業員の家族や地域の方を招待したり、地元の中高生などのサークル活動の発表の場を提供したり、地域の清掃活動を行うなど、さまざまな取り組みをしています。
また2015年には女子バスケットボールチーム「アランマーレ秋田」を結成、今年からプロリーグにも参戦しています。今後も成長を続けるチームとして、男子プロバスケットチームの「ハピネッツ」とともに応援していきたいですね。
そんなプレステージ・インターナショナルの思いが、いまひとつ地元に通じておらず、「コールセンター」というイメージだけを持たれてしまうのは残念です。「プレステージ・インターナショナル」という企業として地元で認識されるようになって、地元にますます貢献してほしいです。
若手に聞く
にかほブランチで働いている若手3人に、プレステージ・インターナショナルを選んだ理由をうかがいました。インタビュアーは、秋田に帰りたい思いを持ちながら今の生活も捨てがたいと仙台で暮らしているという、秋田市出身の加賀谷成美さんです。
原田凌河さんと菅原かのこさんは、今年の地域限定正社員として入社され、ロードサービス部門でお仕事をされています。成田昌代さんは、転勤ありの総合職として入社し、2年目の今年の夏に転勤し、現在は東京本社で働いています。
原田さんは、にかほ市出身で京都の大学に進学、プレステージ・インターナショナルに入社しました。京都では1人暮らしで家賃などの負担が重かったことに加え、家事の大変さが分かり、就職は実家から通えるところにしようと思ったそうです。
菅原さんは、短大に入学した時から2年間東京で過ごし、地元での就職を選んだそうです。
進学や就職で秋田を出ていく人が多い中、地元で就職する人たちの家族愛、地元愛の強さにいつも驚くのですが、にかほ市や隣の由利本荘市の人たちの地元愛には別格なものを感じます。何が魅力かとお聞きすると、原田さんは、祖父が漁師をやっていたので、生カキなどをもらうことも多く、おいしい海産物を食べて育ったことを挙げられました。菅原さんは山菜が好きなので東京にいる時はふるさとの山菜を懐かしく思っていたそうです。
由利本荘市からにかほ市に通っていた成田さんは、通勤時や休憩の時に眺める景色が好きだったそうです。にかほ市は海が近い上、出羽富士と呼ばれる美しい鳥海山が望め、それでいて雪が少ないので住みやすいと言われています。
仕事の内容
どんなお仕事をされているのかをお聞きしました。
原田さんと菅原さんは、同じロードサービスの部署で働いています。菅原さんは、電話での仕事なので相手の状況や表情が見えない中での対応となるのが難しいとおっしゃっていました。また原田さんは、オペレーターが電話に出た時点で長くお待ちになっているお客様もいらっしゃるため、丁寧な言葉遣いを心掛けていると話していました。
同社では毎日割り当てられるデスクが異なるので、お二人とも始業より少し早めに出社して、パソコンの立ち上げやログインなどに余裕を持って仕事を始められるようにしているそうです。
就業時間はシフト制で、始業時間は日によって異なります。残業は月平均7~13時間。週休二日制で年間休日数121日とかなり多い方です。
菅原さんは、シフト勤務が始まってまだ1、2ヵ月ですが、少しずつ増えていくので無理なく慣れることができたそうです。
入社後の研修は非常に充実しており、原田さんは学生時代にアルバイトをしていた時に使っていた敬語だと思っていたものが、実は敬語ではないことが分かったそうです。また対応に困った時のバックアップ体制もしっかりしているので安心して仕事ができると話していました。
成田さんは東京に転勤になり車通勤から電車通勤になりました。車通勤もよかったのですが、電車通勤だと時間があるので、小説を読み始め、いい気分転換になっているそうです。最近、電車ではスマホをいじっている方が多いですが、小説を読んでいる方がいたら成田さんかもしれません。
成田さんは今、 本社の IR・CSR推進室で社外からの問い合わせに対応したり、決算時などの社内向けの情報発信の文書を作成したりしているそうです。取材の日には、初めて翻訳を行ったとおっしゃっていました。東京に転勤になったことによるもう一つの変化はお弁当を作るようになったことだそうです。
余暇の過ごし方
原田さんは、週末は家族と買い物に行ったりしてすごすことが多いそうです。久々の実家暮らしを楽しんでいますね!
菅原さんは、音楽を聴くことが大好きで、特に通勤時の車内で音楽を聴くことでリフレッシュし、仕事とプライベートの切り替えがスムーズだと語りました。コロナ禍でしばらくお預けになっていたカフェ巡りも、そろそろ再開できそうでしょうか?最近、にかほ、由利本荘市周辺にはおしゃれなカフェが次々にオープンしているのでうらやましい限りです。
将来の夢
3人にプレステージ・インターナショナルでどんなキャリアパスを描いているかをお聞きしました。
成田さんは、「まだそれほどはっきりした夢ではないのですが、人の役に立つことをやりたいと思っています。プレステージ・インターナショナルの理念が世の中のお困りごとを解決するということなので、通じるところがあると思っています」と話されました。今は会社の中で経験を積みながら与えられた機会を最大限に利用したいと考えているそうです。また、外国語の勉強も、外国語を使うことも好きなので、国際的な仕事をしたいと話されました。
原田さんは、「今は新しいことを覚えたり、分からないことを聞いたりで手一杯ですが、いずれは、今教えてもらっていることを教えられるようになりたいと考えています」と話していました。就職したばかりは何もかも分からないことだらけで大変ですよね。原田さんのまじめな性格を感じました。
菅原さんは、「地域限定正社員にもチャレンジする機会はたくさんあるので、キャリアアップを目指したい」と語られました。にかほ管理部の藤島伸子さんによると、地域限定正社員も総合職も入社して3年~5年を目安に、定期異動という形で他の拠点や部署を経験します。そうした経験を通じて意欲のある人にどんどんキャリアアップしてもらいたいと考えているそうです。同社は2023年度までに女性管理職比率50%を目指しているとのこと。どんどんチャレンジしてほしいです。
働き方の途中変更も可能
地域限定正社員として入社し、働いているうちにもっといろんな経験を積んでみたいと思った時は、転勤を経験することもできるそうです。また、逆に総合職で入社した従業員が、様々なライフイベントを経て地域限定正社員に転換することも可能で、本人の意向に沿った働き方が可能だと感じました。
藤島さんによると、秋田で入社し現在海外拠点で活躍している従業員もいるそうです。プレステージ・インターナショナルの創業時のサービスも海外でトラブルに出会った人を日本語でサポートするということでしたし、最近は海外拠点もアジアを中心に増やしているので成田さんのような国際的な仕事をしたい方にとってやりがいのある仕事が増えています。
“この拠点でこういうポジションの人を募集していますが行きたい人いませんか?”といったように、特定のチームやポジションで社内公募が掛かることもあり、いろんなチャンスが転がっているので、自分から手を挙げてチャンスをつかみにいくことができるそうです。
* * * * * *
というわけでオフィスワークが好きな人にとって、プレステージ・インターナショナル秋田BPOにかほキャンパスは理想的な環境がそろっていると言えるのではないでしょうか?
繰り返しになりますが、これだけの人数を一気に採用するということはめったにない!!にかほ市周辺の人やにかほ市周辺に帰りたいと思っている人、あるいは秋田県のハワイと言われるにかほ市に住んでみたい人、こっちゃけや同社の採用情報サイトをチェックしてください!
取材:加賀谷成美、竹内カンナ
記事:竹内カンナ
秋田県の就活情報サイト こっちゃけ