70種超の資格取得を支援 従業員の向上心を大切に ヤマダフーズ

ヤマダフーズは秋田の誇る発酵食品の一つである納豆を製造販売しています。ヤマダフーズという社名を知らなくても「おはよう納豆」を知らない人はいないでしょう。直近の年商は納豆で78億円豆腐と豆乳で11億円

業務用納豆で日本一

山田伸祐社長によると、ヤマダフーズは納豆業界で国内4位。そしてコンビニや回転寿司の納豆巻きに使われる業務用納豆ではシェア60%!主要コンビニ3社の納豆巻きはすべてヤマダフーズの納豆なのだそう。びっくりです。。

 現在従業員は正規雇用が約200人。パートタイマー、派遣、アルバイトなど非正規雇用が約370人で、計570人。正規雇用の男女比率は2対1で男性が多いそうですが、20歳代に限れば男女比がほぼ同じ。

採用担当の佐々木広喜さんによると、志望する学生の男女比率は4対6ぐらい。小さいころのなりたい職業アンケートでも食べ物関係は女の子に人気ですし、ヤマダフーズの仕事はそれほど力がいるわけではないので、今後も女性の比率は高くなるとみているそうです。

佐々木広喜さん

佐々木さんによると、新卒採用人数の比率は現在、秋田出身と茨城出身が8対2だそうです。秋田の工場や本社はほぼ秋田出身者で占められ、茨城では首都圏出身の人が大半です。

実は、1996年に竣工した茨城工場は、秋田工場と並ぶ規模なのです。営業所は秋田、仙台、東京、大阪にあります。また横手市には2004年に操業を開始した豆腐と豆乳を製造する「遊心庵工場」があります。

秋田県内のここ数年の採用実績は、2016年度が新卒12人、既卒6人、17年度は新卒8人、既卒4人、18年度は新卒6人、既卒5人。この春には10人の新卒が入社しました。高卒、大卒は年によってまちまち。秋田県外からのUターン、Iターンは、ここ数年2人ずつ入社しています。

 高卒で入社した人には2,3年は親元から最寄りの職場に通ってもらい大卒の場合は1年目から県外に行ってもらうこともあるそうです。山田社長は、若いうちはいろんな仕事の経験を積んで視野を広げてもらいたいと考えているそうです。

 現在の業績は順調ですが、人口減少と高齢化、それにご飯の消費が減少していることから今後については楽観していないとのこと。

 山田社長は、「たとえば、秋田や山形の納豆汁、うどんのトッピングといった使い方もあります。フリーズドライの納豆をサラダのトッピングやお菓子にすることも考えています。他の食品メーカーとコラボ商品も開発していきたい」と語ります。

若手の代表として取材に応じてくださった大阪朝美さんは食品開発研究所の研究員。入社3年目で、入社直後から「もち麦納豆」の開発に携わりました。

大阪朝美さん

 社長の前では話しにくいかなと思いつつ、「ヤマダフーズに入社してよかったことってありますか?」と聞いてみました。

70種の資格取得を支援

 その答えは「いっぱいありますよ!」でした。大阪さんが特に入社してよかったと思っているのは、資格の取得など向上心を持って勉強する人を応援してくれること。会社が選定した約70種類の資格の取得に必要な受講料、受験料、交通費を出してくれる上、仕事に役立つものであれば月2000円、中小企業診断士のような高度な資格であれば月5000円とか1万円の手当を給与に上乗せしてくれ、資格マニアなら月に数万円にもなることがあるそうです。その資格の中には「秋田ふるさと検定」まで入っています!総務系ならこの資格も役立つだろうという考えだそうです。大阪さんは社外の友人たちからこの制度をとてもうらやましがられたそうです。

 山田社長は、資格は何らかの理由で転職することになっても、その人の知識や技術を客観的に証明できる財産になると思い取得を奨励しているのだそうです。社員の転職のことまで考えているとはなんと心の広い社長でしょうか。

ちなみに社員教育では、「プロフェッショナルになろう!」と呼びかけているそうです。これは自らの知識や技術を社外でも通用するレベルに高めようという意味だそうです。

コミュニケーションの良さ

 もう一つ大阪さんが、ヤマダフーズのいいところとして挙げたのは、社員同士のコミュニケーションの良さです。一緒に仕事をする相手とは実際に会ってやり取りをする機会が多く、相手をよく理解した上で仕事を進められるので仕事がしやすいそうです。県外から来た人でもすぐになじめる雰囲気だとおっしゃっていました。

山田社長は、大阪さんが入社1年目から新商品の開発のために研究所と営業と企画開発の3つの部署の方たちとプロジェクトチームを組んで生産現場の人たちと直接やり取りをする経験をしたことが、会社をよく知り、成長するきっかけになったのかもしれないと話されました。大阪さんは社長の前でもまったく憶することなくはきはきと自分の考えを述べられていて、社長も感心されていました。

 こういう優秀な社員に長く勤めてもらうために、社長は、「ジョブリターン」制度を作りたいと思っているそうです。子育てや介護でいったん離職した人を家庭の事情が変わって復帰したいというときに受け入れる制度です。これは、是非実現して欲しいですね。

取材を終えて:

ヤマダフーズは、伝統食品の会社ですが、創業者である現社長の祖父が農業をやめて納豆に生きる決意をしたときからリスクを取り、新しいことにチャレンジする精神が受け継がれている気がします。創業からすぐに軌道に乗ったわけではなく、いろんなことにチャレンジしては失敗もしたそうです。今も、商品開発に熱心な社風は続いていて、納豆ラーメン、納豆ペースト、期間限定キムチ納豆といった斬新な商品を次々と世に送り出しています。ホームページによると、韓国・中国・シンガポール・イギリス・ドイツ・フランス・アメリカ・カナダ・ブラジル・オーストラリア・クウェート・ナイジェリアなどに輸出されているそうです。現地の日本人以外にも納豆食べてもらっているのかなあ・・・。ヨーグルト並みに世界で納豆が食べられる日が来たらいいですね! 

余談ですが、ヤマダフーズのアイドル、「おはよう娘のなっちゃん」がかわいいです。ホームページの「上にもどる」のマークまでなっちゃんです。ブログも面白いです!お時間があったら読んでください! 

◆ヤマダフーズのホームページはこちら

◆Kocchakeに掲載されたインターンシップに関する動画です

秋田県就活情報サイト KocchAke!(ヤマダフーズの採用に関する詳細が掲載されています)

Kocchakeは、秋田県内企業の就活情報が満載のサイトです。

取材・写真:加藤一成 文:竹内カンナ